2015年5月25日月曜日

海辺のカフカ


 「海辺のカフカ」読了。村上春樹の小説は総じて好きだが、その中でも僕の琴線にもっとも触れた作品だった。少し前にも書いたけど、前に読んでいるのに内容を覚えていないのが不思議なくらい。ほんと、何でなんだろう。

 何がよいかというと、何事かを達成しないと気の済まない連中、要するに世の中はそういう手合いばっかりなのだが、そういう人々に囲まれて50年以上生きていると本当に疲れる。

 この作品の登場人物は、およそそうじゃない人だ。マイノリティといえばそうだが、むしろファンダメンタルだと感じる。「世界はメタファーだ」。嫌いな人はそこが受け付けられないのだろうけど。

 幸福な読書体験だった。次はプルースト「失われた時を求めて/ソドムとゴモラ1」。

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