2022年10月12日水曜日

「阿修羅のごとく」

 向田邦子「阿修羅のごとく」

 向田邦子の作品はこれまで読んだことがなく、この作品が小説ではなく、テレビ・ドラマのシナリオだということも知らなかった。AmazonのKindle本でポイントが40%つくセールをやっていたのでたまたま購入したもの。

 作者は、文書がうまい、人間観察力が鋭いという評価がもっぱらだけど、それほどのものかという印象。鈍いとは思わないが、鋭い芸術家はたくさんいるのでは。というか、僕がこの種の人間関係に興味がないからそう思うのかもしれない。

 4人姉妹の物語というと、谷崎の「細雪」を思い浮かべる。「細雪」は未だ古びない名作だが、この作品には古びているところがある。テレビ・ドラマである以上、その時代の風俗を取り入れているからそうなるのか。小説ならば違った印象になる可能性はある。

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