辻邦生「背教者ユリアヌス」
作者おとくいのヨーロッパの歴史物なので期待したのだけれど、それほどでもなかった。人物の性格設定が紋切り型だし、哲学青年のユリアヌスが有能な戦略家になる転換が唐突で不自然だ。
ただ、ローマ帝国の古代宗教とキリスト教の関係が詳しく記されていて興味深かった。当然のことながら、ヨーロッパにおいてもキリスト教がすんなりと受け入れられていたわけではないことが判る。1,500ページの長編を地下鉄とバスによる通勤時間を利用して1か月で読めたのもよかった。
Photo: Canon PowerShot S120
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