2015年8月11日火曜日

ボヴァリー夫人



 フローベール「ボヴァリー夫人」読了。図書館で新潮文庫の新訳を借りて読んだ。

 原文の息づかいそのままに日本語に再現したというこの新訳、ネットのレビューではあまり評判がよくないが、僕的にはOKだった。関係代名詞やコロンで繋がれたフランス語を句点で切らずに訳すとこういう文章になるのだろう。蓮實重彦の文体風なのがおかしい。

 ところで、この小説には関係ないけど、女性が不倫に走るのは、退屈な日常から逃れるためなのだろうか。その論法で行くと、日常が満ち足りていればしないということになるが、不倫をしていると僕が知る限りの数人のリアルな女性はそうではない(と思う)。

 男の場合は対象になる女性がいればスイッチが入るといえる。女性の場合もそうなのか、さらに別のファクターが必要なのか。そのへんのところをきちんと書いた作品はなかったろうか。桐野夏生あたりかな。

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