2019年11月29日金曜日

「失われた時を求めて」


 2010年に第1巻が刊行され、9年をかけて完結した岩波文庫版「失われた時を求めて」。第14巻を読了した。これで井上究一郎訳、鈴木道彦訳、吉川一義訳の3種類の翻訳を制覇したことになる。

 僕の印象ではプルーストの原文の癖や読みにくさを日本語によく再現したのが井上訳。読みやすさに徹したのが鈴木訳。両者の訳を踏まえて、プルーストの原文に即しつつ読みやすい日本語に移し替えたのが吉川訳、といったところ。岩波文庫版は翻訳者の長年の研究成果に基づく注釈も充実している。

Photo: iPhone8

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