2017年4月28日金曜日

ブラザー軒


 今日は職場の飲み会だった。HK譲と少し話したら、「joyceさんの視線を感じることがあります」と言われてしまった。いやはや。

 写真は高田渡の唄で有名なブラザー軒。飲み会の会場に向かう途中にある。店はとうになくなりビルだけがその名を留めている。

東一番丁、ブラザー軒
硝子簾がキラキラ波うち、
あたりいちめん
氷を噛む音。

死んだおやじが入って来る。
死んだ妹をつれて
氷水喰べに、
ぼくのわきへ。


外は濃藍色のたなばたの夜。
肥ったおやじは小さい妹をながめ、
満足気に氷を噛み、
ひげを拭く。

妹は匙ですくう
白い氷のかけら。
ぼくも噛む
白い氷のかけら。

ふたりには声がない。
ふたりにはぼくが見えない。


Photo: Canon PowerShot S120

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